ドラマW&映画版「前科者-新米保護司 阿川佳代-」を見た感想
ドラマW「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」の作品情報
公開:2021年 / 全6話 / ジャンル:国内ドラマ・WOWOW
原作 / あらすじ
原作:香川まさひと / 作画:月島冬二による新米保護司の女性が前科者達に正面から向き合う姿を描く『ビッグコミックオリジナル』連載漫画(2018年)
阿川佳代(有村架純)はコンビニでアルバイトをして生計を立てながら、罪を犯した者の更生を助ける無給の国家公務員である保護司になることを決意する。
研修会などを経て、保護司になったばかりの佳代は、
経営していたアクセサリーショップの従業員に激しい暴力を振るい、恐喝および傷害罪で懲役2年を経て仮釈放となった斉藤みどり(石橋静河)、
実の兄を殺害し6年の実刑判決を受けるが刑期を半年残して仮釈放となった石川二朗(大東駿介)、
覚醒剤取締法違反で執行猶予となった田村多実子(古川琴音)を担当することに。
保護司として“前科者”の居場所を見つけるために奔走する佳代は、過去のある経験からトラウマを抱えていた。
保護観察対象者である彼らはそんな彼女と過ごすことで犯した罪と向き合い、心を動かされる。そして佳代もまた、3人と接していくうちに成長をしていく。
個人的感想・評価
- 出所者の更生を支援する新米保護司となった若い女性 :阿川佳代(有村架純)は普段はコンビニでアルバイトをしている地味な人物
- 保護対象者に全身全霊で向き合う佳代の姿勢に、年齢性別ともに様々な前科者達が絆されていく様子と、佳代の保護司としての成長を描いた作品
- オリジナルストーリーの映画版では保護司を目指すきっかけとなった少女時代のエピソードも描かれる
有村架純の新しい顔
男受けしそうな守られ女子(的な役柄)イメージの強い有村架純が、原作に寄せた冴えない女子役に扮していて新しい役どころを選んだなと意外だった
また、ドラマ版・映画版ともに前科者役のゲスト俳優達(特に大東駿介・古川琴音・ 森田剛)の捨て身の熱演が素晴らしかった
いらぬ心配も‥
阿川佳代がいくら地味な牛丼女とは言え(隠しきれない有村架純の憂いは漏れ出ている)
若い女性の一人暮らしの家に、女性はともかく男性の出所者を通わせるのはどうかといらぬ心配をしてしまったのは私だけ?
再犯のリスクは犯さないにしても、恋愛感情を持ってしまうことによるトラブルが起こりそうでヒヤヒヤしながら見ていたけれど
そういうゲスい話は(一部を除いて)無くて、全編を通してちゃんとしたドラマWらしい重厚なヒューマンドラマだった
保護司の実態
私の知っている保護司のイメージは、自分の余暇を青少年の育成に充てがおうとする、言葉は悪いけどもの好きで世話好きな年配者のイメージだったので、
阿川佳代のような若い女性が保護司というのが、ずっと腑に落ちなかった(←保護司になった理由は作品内で明かされる)
それよりも保護司が
- 国家試験に通った公務員
- なのに無報酬で、事実上のボランティア
という事を知らんかったので驚きだったこれではなり手が不足するのは当たり前かと・・・
真剣になればなるほど割に合わないので、この作品を見ても「保護司を目指す」という人は稀有かと思う
刑を終えた後の受け皿の重要性
度々問題になる出所者の更生の難しさと、それに起因する再犯率の高さはこの作品でも描かれていたように↓
- 自身で生計を立てられる職につけること
- 家族のように寄り添ってくれる人物がいること
という受け皿がどれだけ重要なのかをあらためて考えさせられる作品だった
余談だけど、映画版の中途半端な磯村勇斗との濡れ場は不要だったと思う
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