映画「ゆれる」感想。憎たらしくて巧いゆれるシナリオ
映画「ゆれる」の作品情報
放映:2006年 / 119分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
西川美和の2作目となる長編監督作品。「友人が殺人を犯す」という悪夢から着想したオリジナル脚本。
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。
懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。事故だったのか、事件なのか。裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。(C)2006『ゆれる』製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
アマプラで公開が終了する間際の西川美和監督縛り2作目。
冴えない田舎女・智恵子を演じた真木よう子がやや若いなと思った割には、主演の二人オダギリジョー・香川照之は20年近く前から存在感強すぎて変わってない。
えらく話題になった公開当時に1度見たことがあったので、2度目の再視聴になる。兄・稔(香川照之)が智恵子を殺したのか否か…と言う話だったように記憶されていた。
確かに、それはそうなのだけれど再視聴した印象は少し違った。なんというかこう…空恐ろしいというのか。
『ゆれる』というタイトルの通り登場人物のゆれ様が、発するセリフではなく、なんでもない所作や動作で的確に描写されているので、見ている方が細い針でずっと突かれているような気持ち悪い感じ。
洗濯物がシンボルになっているところや、あえて考察させたがるようなシナリオになっているのも憎たらしくて巧い。
この作品の中でゆれていなかったのは新井浩文演じた従業員ぐらいじゃないだろうか…
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