映画「焼肉ドラゴン」感想。濃くて熱くて騒がしい家族ドラマ
映画「焼肉ドラゴン」の作品情報
放映:2018年 / 126分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
原作は血と骨の鄭義信。同名舞台の戯曲。韓国3世である鄭義信が、本作で初めて在日コリアンをテーマにして執筆し、また映画初監督を務めた。
万国博覧会が催された1970(昭和45)年。高度経済成長に浮かれる時代の片隅。関西の地方都市の一角で、ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む亭主・龍吉と妻・英順は、静花、梨花、美花の三姉妹と一人息子・時生の6人暮らし。
失くした故郷、戦争で奪われた左腕。つらい過去は決して消えないけれど、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”それが龍吉のいつもの口癖だった。そして店の中は、静花の幼馴染・哲男など騒がしい常連客たちでいつも賑わい、ささいなことで、泣いたり笑ったり―。そんな何が起きても強い絆で結ばれた「焼肉ドラゴン」にも、次第に時代の波が押し寄せてくるのだった。(C) 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
タイトルからは焼肉コメディみたいな話(たしかそういうの合ったと思う)を想像してしまうけれど、「焼肉ドラゴン」は店主・金龍吉の名を冠むったホルモン店で、そこに暮らす大家族と、そこに集う在日仲間達がおりなす悲喜こもごもなヒューマンドラマ。
韓国エンタメに疎い私は、まずこの父親・金龍吉(キム・サンホ)のインパクト大な風貌に掴まれた。「電撃ネットワーク」の南部さんまんまの禿げ様にだらしない中年腹のこのおっちゃんはバイプレーヤーとして有名な俳優さんらしい。
主演は真木よう子他の 親と全然似てない美人3姉妹になると思うのだけれど、個人的にはキム・サンホとイ・ジョンウン演じた両親が主演だったと言い切りたいほど印象に残った。
1970年代というノスタルジーな時代設定なので、現在のそれとは違うのかもしれないけれど、叫び声と怒鳴り声と笑い声が飛び交い続けるまぁ騒がしい日常と、濃くて強くて熱すぎる身内感情は、日本のそれとはまた違う、まさにあちらの国の家族感だなと思った。
戦後の在日家族がテーマなので、日本人からの差別・偏見・いじめなど当事者側にとっては生きづらいエピソードがたくさん出てくるけれど終始くすっと笑えるシーンが差し込まれるので、不思議と悲壮感は無い。
国の違いを抜きにして、どんな時でもとにかく生きるしか無いんだと言う、あの時代特有のド根性みたいなものを感じさせてくれる話だった。
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