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映画「梅切らぬバカ」感想。ほんの少しの想像力を持てれば。
脚本 / 監督 : 和島香太郎・ 放映:2021年 / 77分 / ジャンル: 邦画
ざっくりこんな話
あらすじ
- 占い師として人気の老婦人・山田珠子(加賀まりこ)は、50歳になる自閉スペクトラム症の息子・忠男(塚地武雅)とずっと二人で暮らしてきた。
- 隣家を購入した里村家(渡辺いっけい)は、山田家から張り出した梅の枝が邪魔になっていた。しかし、梅の枝を切ろうとすると忠男が激しくパニックを起こすことを知る。
- 忠男の将来を案じた珠子は、近所のグループホームへの入居を決めたが、障害者ばかりが暮らす施設に近隣の住民は不満を持っており⋯
監督を務める和島香太郎のオリジナル脚本。
文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」出品作品
個人的感想・評価
自閉スペクトラム症の息子に纏わるいろいろな事を受け入れつつも、悲観せず、たくましく愛している母親像に加賀まりこがぴったりだった。
監督自身の「独居の障害者を追ったドキュメンタリー映画の撮影経験」から企画した作品とのことで、日常を切り取ったドキュメンタリータッチ。
オチを求めるのではなく、気づきを得る作品だと思う。
自立出来ない子を持つ親が老いていく8050問題や、理解ある・無い両方の他者との関わり、行政の塩対応など⋯障害者の周りで現実に起こっているだろう問題も、どちらに肩入れするでもなく、リアルに描かれている(のだろうと思う。)
それぞれに守りたいものがある大人と違って、フラットに忠男に接する隣家の少年との対比が印象的。
『見終わって、こういう息子をみかけることがあると思います。決してこの子たちは攻撃的なことはない。手を差し伸べなくてもいいので、ほほえんであげてください』と伝えた加賀まりこの言葉が全てかと思う。
自分と違う他者に対して、ほんの少しの想像力を働かせることが出来れば、お互いにほんの少し優しくなれるんだろうな、自分もそうありたいなと感じる作品だった。
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