
ドラマW「震える牛」感想:もうハンバーグが怪しく見える!?
ドラマW「震える牛」の作品情報
公開:2013年 / 全5話 / ジャンル:国内ドラマ・WOWOW
原作 / あらすじ
相場英雄によるBSE問題、食品偽装問題を扱った同名社会派推理小説震える牛(2012年)
警視庁捜査一課・継続捜査班の田川信一(三上博史)は、未解決の「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」に疑問を抱き、捜査を始める。
事件は5年前に発生。覆面姿の犯人が店員から金を奪い、店の奥で獣医師と暴力団関係者を殺害した。
初動捜査での犯人像は金目当ての外国人。被害者同士の面識はなく、それぞれひとりで待ち合わせ相手を待っているところだった。
地道な聞き込みを重ねた田川は、食肉加工会社・ミートボックスにたどり着く。さらに事件の直後、殺害された獣医師の部屋に空き巣が入り、2台のパソコンのみが盗まれていたことが発覚する。
犯人の真の目的は金ではなく2人を殺害することだったのでは? 捜査を進めていく中、田川はニュースサイトの記者・鶴田真純(吹石一恵)と再会する。
鶴田も、読者から得た情報をもとに“裏に顔が利く”という悪評のあるミートボックスの食品偽装疑惑を探っているところだった。
(C)2013 WOWOW INC.
個人的感想・評価
捜査一課の刑事(三上博史)が、5年前の未解決強盗殺人事件の犯人を追ううちに、狂牛病隠蔽と悪質な食肉偽装問題が絡んだ真犯人が明らかになっていく社会問題に切り込んだ本格サスペンス。
もう加工肉を見る目が変わる
ストーリー冒頭の、「賞味期限表記」のからくりに軽く驚いた後、ある食肉加工会社が
- 豚・鳥だけでなく、ウサギ・馬・ネズミや蛙の肉
- 安く仕入れた廃棄寸前の冷凍肉の腐った部分を削り取った肉
- 悪臭をとるために化学薬品で洗浄した肉
の挽き肉を加工し 牛100%と偽装して大手スーパーや大手レストランに安く卸しているという事実に驚愕。
この謎肉を美味しく仕上げる社長独自の秘伝のブレンド方法まで存在する始末(カーネルサンダースか!)
悪徳社長に古田新太
このきな臭くて怖い食肉加工会社の社長が一番の曲者。 演出か本物かは不明だけど 歯並びの悪い黄色い歯の古田新太がぴったりだった。
でも、この悪徳社長がついに連行される際の「おまえら安くて美味かっただろぉ!」的な捨て台詞に、より安いものを求める消費者の風潮や生産者の弱い立場が問題の一端となっていることも考えさせられた。
勧善懲悪で視聴後はすっきり
大きくなりすぎた会社とその消費者、恩義のある社長・・・何を犠牲にして何を守るべきか迷い、最後に正しい決断をした副社長(小林薫)のシーンは感動的。
殺人事件を追うサスペンスとしてより、生産者・販売者・医者・刑事とそれぞれの葛藤が心に残る良い作品だった。
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