映画「護られなかった者たちへ」感想: 悔悟の行く末
映画「護られなかった者たちへ」の作品情報
公開:2021年 / 134分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
中山七里の同名の長編小説。仙台を舞台に、生活保護の実像を描いた社会派ミステリー(2018年)
全身を縛られたまま“餓死”させられるという不可解な連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根という男。
刑事の笘篠は利根を追い詰めていくが、決定的な確証がつかめないまま、第三の事件が起きようとしていた―。
なぜ、このような無残な殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか?さまざまな想いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく―
予告動画
個人的感想・評価
「復興中の仙台を舞台に」という依頼のもとに中山七里によって執筆された原作を、人物像の深掘りがうまいなという印象の瀬々敬久が映像化した本作。
先に見ていたし、重そうな話やなとそれなりに覚悟して見た。
与える側も受ける側にも、まだまだ改善しなければいけない問題があるといえる生活保護制度をテーマにしているので双方の実情が浮き彫りにされていたり、生活困窮者や孤児の実態が描かれる面もある社会派なストーリー。
事件の背景にはそれぞれの人間の事情と感情が交錯するヒューマンドラマ的な一面と、意外な真相にはミステリー要素もあった。
そのうえに震災遺族の悔悟と葛藤も乗っかっていて…
そのおかげというか、希望を感じさせるラストシーンで感動作みたいな仕上がりになっていたのは、行われた犯行の凄惨さとそぐわないのも違和感があった。
良く言えば見応えあり、悪く言えば詰め込みすぎな印象も…。(仙台を舞台にしたがゆえの震災被害者の話はいらんかった気がする。)
今作では、荒んだ佐藤健を期待していたので少々期待外れではあったけれど、出演者は被害者までベテランの演技派ぞろいでとても豪華だった。
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