
映画「千夜、一夜」感想。突然消えられるのは酷すぎよね…
映画「千夜、一夜」の作品情報
放映:2022年 / 126分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
本作と同じく主演を田中裕子が務めた「いつか読書する日」の青木研次によるオリジナル脚本。失踪者となってしまった愛する人の帰りを待つ女性達を描いたヒューマンドラマ。
北の離島の美しい港町。登美子の夫が突然姿を消してから30年の時が経った。彼はなぜいなくなったのか。生きているのかどうか、それすらわからない。
漁師の春男が登美子に想いを寄せ続けるも、彼女がそれに応えることはない。そんな登美子のもとに、2年前に失踪した夫を探す奈美が現れる。あるひ、登美子は街中で偶然、失踪した奈美の夫・洋司を見かけて…。
予告動画
個人的感想・評価
渋いキャスティングで北の港町を舞台に拉致被害者の気配もちらほらさせながら、失踪した家族を待つ3人の女を描いたドキュメンタリーのような作品。
拉致被害者かも知れない失踪した夫を30年待つ登美子を演じたのが主演の田中裕子。
おそらく新婚で二人が一番いい時期だった時に「ちょっと出てくる」と行ったきり二度と戻らない夫を待つ登美子は30年分の歳をとっているのだけれど、記憶の中の(イケメン)夫は30年前のままな訳で…。
そのせいか、登美子も30年前から時が止まっているのだろうか…まだ若い頃のままの刹那な雰囲気(見た目ではなく)も残している様な、田中裕子の演技がさすがやなと思った。
まさにこの作品のタイトルのように、最後の日々の記憶だけが登美子のその後の人生を支配しているようだった。
皆が揃って諦めろ忘れろと言うけれど、未だに籍を抜かず再婚の気も見せない登美子は「可哀想だと特別に見られるのが悔しいだけ」と言っていた。
登美子が強いのか、弱いのか、頑固者なのか傍からは分かり得ないことだけれど、年格好がどこか似ている洋司(安藤政信)に、夫のサトシを重ねた危うい登美子の様子を見せられると、
あぁ、ただ猛烈にサトシの事が好きだったんやなぁと思わずにいられない。
(この二人のシーン、これ以上進まないでくれーとヒヤヒヤしたのは私だけだろうか)
この作品の中の失踪した3人の男のうち、2人の男は結果的に消息が分かるのだけれど、待っていた女のその事実の迎え入れ方は対照的。
突然消えてしまうということの酷さを痛感させられた話だった。
吉報なのに思わずツッコミを入れてしまった 春男(ダンカン)は、今後も報われない男なんやろうな・・💧
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