映画「鈴木家の嘘」感想:遺族あるある悲喜こもごもがリアル
映画「鈴木家の嘘」の作品情報
公開:2018年 / 133分 / ジャンル:邦画
あらすじ
あまりにも突然に訪れた鈴木家の長男・浩一(加瀬亮)の死。
ショックのあまり記憶を失った母(原日出子)のため、遺された父(岸部一徳)と長女(木竜麻生)は叔父(大森南朋)を巻き込んで一世一代の嘘をつく。
ひきこもりだった浩一は、扉を開けて家を離れ、世界に飛び出したのだと-。(C)松竹ブロードキャスティング
脚本は監督の野尻克己。自身の体験(兄の死)を元にして書かれたオリジナル脚本。本作が劇場映画監督デビュー作品。
予告動画
映画「鈴木家の嘘」を観た感想レビュー
引きこもりだった長男(加瀬亮)が突然自殺し、それを知った母親(原日出子)もその場で倒れてしまう。
母親が入院先で目覚めたら記憶喪失になっていると分かって、妹(木竜麻生)が叔父(大森南朋)を巻き込んで兄はアルゼンチンで元気に働いていると嘘を付いちゃって…という話。
いくら何でも母やったら気づくやろってツッコミは無しなんだなぁ^^;
監督の実体験をもとにした脚本だけど
そもそも私が自殺という行為に対して否定的だからかも知れないけれど家族の自殺&遺族の葛藤と言う重いテーマと、コメディ要素が交互に差し込まれてくるので、ずっと感情がどっちつかずで中途半端に感じた。
叔父叔母役の岸本加世子と大森南朋が主に笑いパートを担ってる。
遺族のリアルかも
母親に兄が生きている芝居を打ちながらも、父親(岸部一徳)と妹は、兄が入れ込んでいたらしい風俗嬢を追ったり、グリーフケア(遺族の会)に通ったりするのは切ない。
けど遺族だって、実際には24時間毎日毎日悲しみに暮れ続けている訳でもないし、お葬式でも笑ってしまうようなことが起こることもあるしで、これが遺された家族のリアルなのかなと思える。
遺族あるあるは不謹慎だけど面白い
この作品には遺族あるあるネタがコメディ要素として盛り込まれている。たとえば、
- 自殺だから本家の墓に入れないと親族に反対される
- 遺族の会で宇宙葬の営業をかけられる
- しまいには(結構本気で)イタコにすがる
など。不謹慎かも知れないけれど、実体験があるから作品にできるのかなと思ってみると面白い。
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