
映画「火花」感想:芸人・・なんてピエロすぎる。
映画「火花」の作品情報
放映:2017年 / 121分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
原作はお笑いタレントの 又吉直樹が執筆した、売れない若手芸人と先輩芸人の10年間の人間模様を描いた同名の純文学小説『火花』(2015) / 第28回三島由紀夫賞候補作・第153回芥川龍之介賞を受賞作
若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永は、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。その奇想な芸風と人間味に惹かれ、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。
神谷はそれを了承し、その代わり「俺の伝記を作って欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴る。
2年後、徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会する。二人は毎日のように呑みに出かけ、芸の議論を交わし、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。
そして、そんな二人を、神谷の同棲相手・真樹は優しく見守っていた。しかし、いつしか二人の間にわずかな意識の違いが生まれ始める―「笑い」に魅せられ、「現実」に阻まれ、「才能」に葛藤しながら、「夢」に向かって全力で生きる二人の10年間の青春物語。
予告動画
個人的感想・評価
相方役に芸人の川谷修士をキャストしているところや、そもそも監督を芸人の 板尾創路が努めていることで、笑いと現実という真逆なものに葛藤する様子はかなりリアルに描かれていたと思う。
同じ芸人を目指しながらも、笑いに対して全く違う眼差しを持つ神谷(桐谷健太)に憧れのような敬意のような気持ちを持ち、先輩芸人として陶酔する徳永( 菅田将暉)。
神谷は、面白いものを純粋に追求するだけに漫才としての常識の枠からは外れている。つまり、独創的だけど一般受けはしないシュールな芸風のため目を出すことが出来なかった。
一方、徳永は「ヘアスタイルを奇抜で目を引くものに変える」・・ただこれだけきっかけに、若者受けしコンビとして多少の仕事が入るようになるけれど、「客にウケる漫才」をやることに違和感を感じるようになってしまう。
お笑いとはなんなのか?正解がないだけに、真面目に追求すればするほどに疲弊していっているように見える。人からの笑いを取るために消耗していく芸人・・なんてピエロすぎる。
一方、徳永が陶酔した神谷は、可愛げも侠気もある人たらしで魅力のある男ではあったけれど、実生活では危うい女の子(木村文乃)のヒモだったり、漫才ショーレースでは芸風を審査員に酷評されたりと、うだつの上がらない部分がだんだん目につくようになってくる。
そして、極めつけは成れの果てとも言える神谷のあのシーンね
日陰芸人の青春ものは、最近出きった感があって新鮮味を感じないまま見ていたけれど、このシーンで他との差別化は十分図れていたと思う。気持ち悪いけど‼
笑いに興味のない人間としては、芸人の心象にまったく共感できないので退屈な感じは否めないけれど、W主演の、 菅田将暉・桐谷健太ともに関西出身で、自然な関西弁の作品が見たいという欲は満たされた。
やっぱ桐谷健太は関西弁がいいなと思った。
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