
映画「サイレント・トーキョー」感想:祈りの余韻…
映画「サイレント・トーキョー」の作品情報
放映:2020年 / 98分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
原作は「アンフェア」シリーズを手掛けた秦建日子(はたたけひこ)による長編小説『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(2016)
12月24日、東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。
半信半疑で中継に向かった来栖公太は、そこにいた主婦・山口アイコとともに犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてゆく。
その様子を朝比奈仁が静かに見つめるなか、爆発は起きた。
そして次の犯行予告が動画サイトに上げられる。「標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との生対談。期限は午後6時」。独自の捜査を行う刑事・世田志乃夫と泉大輝、不可解な行動をとるIT企業家・須永基樹、イヴの夜を楽しみたい会社員・高梨真奈美、そして一帯を封鎖する警察、事件を一層煽るマスコミ、騒ぎを聞きつけた野次馬たち。
様々な思惑が交差する渋谷に“その時”が訪れる。それは、日本中を巻き込む運命のXmasの始まりだった。(C) 2020 Silent Tokyo Film Partners
予告動画
個人的感想・評価
- クリスマスイブ・東京。<恵比寿に爆弾を仕掛けた>とテレビ局に電話がかかり、取材に向かったテレビ局員と主婦(石田ゆり子)は、爆破事件の犯人に仕立て上げられ<首相(鶴見辰吾)との対話とテレビ中継>を受けれ入れない場合、渋谷ハチ公を爆破すると要求させられる。
- 渋谷署の刑事:世田が(西島秀俊)現場で捜査にあたる中、予告通り大爆発が起こり、クリスマスカウントダウンに浮かれたスクランブル交差点は一瞬にして凄惨な事故現場と変わり果て、新たな犯行予告が行われた。
- 爆破テロの容疑者 朝比奈(佐藤浩市)の目的は何なのか? 不可解な行動をとリ続ける 起業家:須永(中村倫也)は何者なのか・・世田が犯人を追い詰めた時、予想だにしない真犯人が判明する・・
東京がテロに・・というのはちょっと出きった感があるネタやけれど、佐藤浩市 ✕ 石田ゆり子 ✕ 西島秀俊 ✕ 中村倫也 とベテラン勢がそろっていて期待の持てたサスペンスもの。
上映時間が短い(98分)のと、過去の回想シーンが多いシナリオのせいもあってそれぞれの俳優の出演シーンはかなり少なかった。
もったいぶらずに冒頭から撮影に2週間費やしたという迫力の爆発テロシーンがあって、そこを最大の山場に、その後の畳み掛けるような展開は超早い。
ほぼ犯人グループのような不審な動きをするIT起業家(←この職業がそもそも怪しい):中村倫也に注目を向けているので、ちょいちょい出てくる首謀者っぽい謎の男 :佐藤浩市はラストシーンになってようやく登場する。
これで刑事役が 西島秀俊 やとすると、最初に出てきただけの石田ゆり子 がただの主婦じゃないっていうのはだいたい想像がついちゃう訳やし・・あれだけのテロを犯した首謀者を美化するようなシナリオも賛否ありそうやけども・・
もうすべて、原作者がインスパイアされたという ジョン・レノンの『Happy Xmas (War is Over) 』(⚠のカバー曲やけど)の力によって綺麗に纏まってしまったような感じやった。
この名曲のおかげで『サイレント・トーキョー』という、爆破テロとは真逆の祈りのようなタイトルも妙にしっくりきてしまう不思議。
あえて何も説明せず、見たものにいろいろな余韻を残す作りのサスペンスものはめずらしいと思ったけれど嫌いじゃないなぁと思えたのは大人の二人が醸す空気感のなす技。
原作にあった朝比奈が同性愛者だったという重要な設定が端折られているので、各々の行動動機が弱く感じてしまうのは残念ポイントだったかも知れない。
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