
映画「凪待ち」感想:香取慎吾も良いけど吉澤健が最高だった
映画「凪待ち」の作品情報
公開:2019年 / 124分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
白石和彌監督 宮城県石巻市を舞台にして、人生につまづいた男の再生を香取慎吾が演じるオリジナルストーリー
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男(香取慎吾)は、恋人の亜弓(西田尚美)とその娘・美波(恒松祐里)と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。
少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。
ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から降ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。
恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況から、郁男は次第に自暴自棄になっていく―。©2018「凪待ち」フィルムパートナーズ
予告動画
個人的感想・評価
ギャンブル依存症の郁男(香取慎吾)は恋人の亜弓(西田尚美)とその娘(恒松祐里)についていく形で、亜弓の故郷 石巻に移り住む
石巻で一度は立ち直ったかに思えた郁夫だったが、亜弓が何者かに殺害されてしまう。石巻でよそ者の郁夫は犯人扱いされたことで、自暴自棄になり再びギャンブルに狂っていき…という話
こういう作品が撮りたかったんだな
宣材のキャッチ『なぜ殺したのか?誰が殺したのか?』は、すぐ分かっちゃうので実はあまり重要ではない
こういう泣かせにかかるでも無く、わりと淡々と「人」を見せる作品って好きなジャンル
『ひとよ』続きで視聴したので、白石和彌監督作品へのイメージが変わりつつある私

ジャニーズ時代ならできなかっだろうクズ役
ジャニーズ独立後の「新しい地図」の3人はそれぞれ
『半世界』で田舎男役を演じた(ちょっと惜しかったけど)稲垣吾郎や『ミッドナイトスワン』でLGBT役を演じた草なぎ剛も、アイドルイメージ脱却な役柄の記憶が新しいけれど

今作ではギャンブル狂いのヒモ男を香取慎吾が演じている
香取慎吾の舌っ足らずな喋り癖のせいか郁夫がそこまでロクでなしには見えなかったのが残念だけれど…
郁夫は根っからの悪人という人物役ではなかったので、弛みぎみな体型になった香取慎吾の起用は当たりだと思った
香取慎吾が田舎ヤクザや街のゴロツキにボコボコにされるというだけでもレアかと
それにしても香取慎吾は勘のいい器用な人やなあと思う(←ホメてる)
亜弓の父 吉澤健が最高だった
石巻の住人もリリー・フランキーから麿赤兒までサブカル系ぞろいだけれど
なかでも吉澤健演じる亜弓の老父が郁夫に手を差し伸べるあれこれは印象に残った
亡くした娘と遺った孫を想うが故とは言え、どこの馬の骨かも分からん郁夫に都会の人間ならここまで出来ないだろうなと思う
何者にもなれない郁夫に、若い頃の自分が見えていたのかもしれないなぁ
もう石巻の漁師にしか見えないくたびれ感と言い、口数少なく態度で表わす男気のある優しさは渋すぎてこの作品の準主役と言っても過言でないくらい素晴らしかった
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