映画「とんび」感想:阿部寛版:安男に涙涙の139分。
映画「とんび」の作品情報
公開:2022年 / 139分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
重松清の同名小説(2008年)。高度経済成長時代を舞台に妻を亡くした不器用な男が、男手一つで息子を育てていく半生と親子の絆を描いた作品。
日本一不器用な男・ヤスは、愛する妻・美佐子の妊娠にも上手く喜びを表せない。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、“家族”は何よりの憧れだった。
時は昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。
アキラと名付けた息子のためにも、運送業者で懸命に働くヤスだったが、ようやく手にした幸せは、妻の事故死によって脆くも打ち砕かれる。
悲しみに沈むヤスだったが、人情に厚い町の人々に叱咤激励され、彼らの温かな手を借りてアキラを育ててゆく。時は流れ、高校3年生になったアキラは、東京の大学を目指し合格を勝ち取る。
だが、別居の寂しさを素直に伝えられないヤスは、「一人前になるまで帰って来るな!」とアキラを突き放す。そして昭和63年、久々に再会したヤスと大人になったアキラだったが──。(C)2022『とんび』製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
2013年の『ドラマ版 とんび』(内野聖陽✕佐藤健)から10年越しの再視聴。
一部設定変更はあるものの大枠のストーリーはほぼ同じで、内容は分かっているのに、感動の涙涙の139分。
ドラマ版よりも父親: 安男視点の描写が多くて、大男の阿部寛が演じる男臭い安男は役柄のイメージそのもの。
これでちゃぶ台がえしをしたら『嫌われ松子の一生』(2006)を彷彿とさせるヤサグレ感だったわ。
濃いめの顔つきが阿部寛と雰囲気の似た北村匠海も(身長以外は)良いキャスティングだったと思う。
全10回でじっくり描いたドラマ版に比べると、当然ながら急ぎ足な展開やけど、旭の反抗期・受験・上京・子持ち女性との結婚など・・重要なターニングポイントは全て織り込まれているので物足りなさは感じず、このぐらいのボリュームでも原作の良さは十分伝わるんじゃないかなと思えた。
今の若い人ならまず、この映画版を見てからドラマ版・原作を見ても楽しめると思う。
私は、2012年放送の『NHK ドラマスペシャル版とんび』 (堤真一✕池松壮亮)も見てみたい。
島の住人達(安田顕・麿赤兒・薬師丸ひろ子など)が、愛情深く親子を見守り支え続けた様子も素晴らしくて田舎街もいいなぁ・・なんて思える作品。
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