映画「半世界」感想:響く人は限定だけど池脇千鶴が凄く良い
実際にありそうで無い言葉「半世界」というタイトルの稲垣吾郎19年ぶりの主演作品。
映画「半世界」の作品情報
公開:2018年 / 119分 / ジャンル:邦画
あらすじ
生まれ育った地元の山中の炭焼き窯で備長炭を作り、なんとなく父から受け継いだ仕事をやり過ごすだけの日々を送る炭焼職人の紘(稲垣吾郎)。
中学生時代の同級生・瑛介(長谷川博己)は仕事を辞め離婚をし地元に戻ってくる。突然の帰郷に瑛介は多くを語らないが、何か訳ありの事情を抱えている。
紘には家庭もあり、反抗期真っ只中の息子・明(杉田雷麟)もいるが、先行き不安定な仕事の事で頭がいっぱいで家の事はすべて妻の初乃(池脇千鶴)に任せていた。
紘はそんな家族に対する無関心な姿をもう一人の同級生・光彦(渋川清彦)に指摘されてしまう。
さらに紘と光彦は次第に瑛介が地元を離れてから過ごした過酷な経験を知り、人生の半ばを迎えた男3人にとって旧友とのこの再会が、残りの人生をどう生きるか見つめなおすきっかけとなる。
長年温めた2つのアイデアから書かれた阪本 順治のオリジナル脚本。他の監督作に闇の子供たち 北のカナリアたちなど多数。
予告動画
映画「半世界」を観た感想レビュー
一度は離れた幼馴染3人が時を経て故郷で再開することをきっかけに、折返しの人生を見つめ直す話。
稲垣吾郎の19年ぶりとなる単独主演映画&阪本 順治監督/脚本との前宣伝で期待値があがりまくるだけに、評価は大きく分かれる作品だったと思う。
この作品での半世界という言葉は
- 40歳目前 人生の折り返し点
- 世界の半分だけ見ている
という意味。
この作品が響く人は限られると思う
- アラフォー/アラフィフ世代
- 特に男性
- 故郷を持つ人・故郷で暮らし続ける人
と限られるかと。年齢層以外にビンゴしない私の場合は、今ひとつピンとこない作品だった。
ちょいちょい笑いもある田舎の過疎地域の日常。何かドラマティックなことが起こるわけではなく、唐突すぎた驚きの結末さえも、現実世界ではまぁよくあることなのかなぁ。
だから、よけいにリアル。そういう作品も結構好きなんだけど、ただねぇ・・・
稲垣吾郎に野暮ったさ足りないのが残念
阪本 順治が稲垣吾郎主演であて書きした脚本とのことだけど・・・主人公は誰だったのか分からなくなるくらい薄かった。それはそれで、良かったと思う。
でも、田舎で地味に暮らす炭焼き職人と、小綺麗さが消しきれない稲垣吾郎がどうも合致しないのよ。
ひとり炭焼き作業している様子が余暇にソロキャンしてる都会人にしか見えなかったわ。
池脇千鶴がとても良い
歳とともにどっぷり生活臭と脂肪を蓄えた強き良き妻 初乃(池脇千鶴)が、最後にすべて持っていったような気もした。
というわけで、初乃を演じた 池脇千鶴はとても素晴らしかった。男はいつまでたっても半分しか世界が見えていないかもしらんけど、母という女は全部見えているのねという感想。
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