
ドラマ「片想い」感想:メビウスの帯に例えた話が印象的。
ドラマ「片想い」の作品情報
公開:2017年 / 全6話 / ジャンル:国内ドラマ
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原作 / あらすじ
東野圭吾が 2001年に発表した同名小説が原作。今から20年以上も前にジェンダーの問題をテーマにしたというのが驚きです。
スポーツライターの西脇哲朗(桐谷健太)は早田幸弘(大谷亮平)、須貝誠(和田正人)らチームメートと同窓会を開いた帰り、須貝と2人で忍び込んだ大学のグラウンドで部のマネジャーだった日浦美月(中谷美紀)に遭遇する。
美月の口からは「人を殺した」という衝撃の言葉が。
さらに哲朗宅で美月は、哲朗、須貝、理沙子に対し自分が性同一性障害だと告白。
男としてクラブでバーテンダーとして働く美月が、ホステスの佐伯香里(中村アン)につきまとう客を人目のない所で殺したというのだ。
最初は絶句した哲朗らだが美月を守ろうと決意する。そんな折、美月は失踪してしまう。(C)2017 WOWOW/テレパック
主題歌 : 羊毛とおはな / 「はだかのピエロ」
少しずつ 少しずつ 混ざり合って ひとつという歌詞と切ない歌声が物語とシンクロしています。
ドラマ「片想い」の感想
東野圭吾がジェンダーをテーマに執筆したサスペンス小説の実写化作品。中谷美紀がトランスジェンダー役(FtoM)で主演しているとのことで興味がありました。
「片想い」というタイトルから恋愛モノを連想しましたが、実際にはもっと深い部分での叶うことのない想いを描くやるせない作品でした。
- 美月が手を下したと言う殺人事件の真相をたどるうちに、戸籍交換システムの存在や事件の真相が明らかになっていくサスペンス
- 生まれ持った性別に悩む者たちの真実や、「性別とは何なのか」についての問題提起
この作品の中ではたくさんのトランスジェンダーだけでなく、今でもまだ認知の低いインターセックスのアスリートも登場します。
(カミングアウトして芸能活動している吉原 シュートをFtoM役でキャストしています。)
メビウスの帯
なかでもトランスジェンダー役(MtoF)の田中泯が、表と裏がつながっているメビウスの帯に例えて性別について語った言葉が印象的でした。
男も女もトランスジェンダーも全ては繋がっていてメビウスの帯の裏と表にいる。
完全な男も完全な女もいず、ある部分は男性的、別の部分は女性的というのが、ふつうの人間です。
(一部要約)
確かに、心は男であると自認する美月にも、同時に自分の子供を愛おしく思う母性を持ち合わせているようでした。
ありのままの自分として生きたい。けれど、戸籍を汚し体を傷つけ性別を代えなければ社会の中で普通に生きていくことが出来ない。
そう苦しむトランスジェンダーを救うために戸籍交換システムが存在したということがやるせません。
その結果として、美月の背負う十字架もとても重いものとなりましたしね…。
ジャンダーの未来は
日本で戸籍上の性別を変更するには
- 婚姻していないこと
- 未成年の子供がいないこと
- 性別適合手術を受けていること
などの厳しい要件がこの作品から20年たった今でも変わっていないようです。
作品内で語られるように、性別が血液型のようにさして意識されないものになって、ジェンダーの問題ですべての人が生きづらさを感じないようになれば良いなと願います。
華奢で美しい中谷美紀が男のバーテンだと思われていたというには、少し無理がありましたが・・・受け口気味に話す表情や声の出し方、歩き方など「男として生きたい」という振る舞いはとても自然でした。
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