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映画「その夜の侍」感想:壊れているのはどっちだったのか?
映画「その夜の侍」の作品情報
公開:2012年 / 120分 / ジャンル:邦画
あらすじ
小さな鉄工所を営む中村健一(堺雅人)は五年前のひき逃げ事件で最愛の妻を亡くして以来、深い喪失感と共に虚無的な日々を過ごしている。
その頃、刑期を終え出所したばかりのひき逃げ犯・木島宏(山田孝之)の元には、”復讐決行日”までをカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。
そして妻の五回目の命日の夜、二人は遂に対峙する。(c)2012「その夜の侍」製作委員会
予告動画
人気劇団 THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が、ヒット舞台作を自ら監督脚本で映画化した作品。
個人的感想と評価
見終わった後いろいろ疑問符がついて気持ちのいい話では無いけど、やけに印象に残る作品。
これだけ濃い俳優をよく一つの作品にまとめたなと思うほどの、個性派&演技派揃いで嫌でも期待値があがりますが・・・
陰鬱すぎる牛乳瓶底のメガネをかけた堺雅人(中村役)と、頭の線がキレてるとしか思えない暴力男の山田孝之(木島役)に
・・・・・・・・・。(中村キモっ!ほんで木島ヤバっ!)
両者の壊れっぷりがしーっかり描写されています。(よくこの役受けたなと思うほどどちらもヒドイ)
この作品の印象が変わるのが、ラストの大雨の復讐予告日に1人外を歩く木島のシーン。
実は怖かったんやな、ちょっとは反省してたんやなと見るものに思わせてしまう木島の妙にキレイな表情はさすがだなぁ。
その時の選曲(星影の小径のカヴァー : UA)もとても良い。
かまってちゃんの木島は壊れたふりをしていただけで、本当に壊れていたのは寂しんぼうの中村の方かな。
5年を経て対峙したことを期に、奇しくも中村は亡き妻の囚われから開放されたんじゃないかと解釈しました。
最後のプリンまみれの堺雅人は色んな意味ですごいよ。
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