
ドラマW「北斗-ある殺人者の回心」感想:死刑制度は是か非か
ドラマW「北斗-ある殺人者の回心-」の作品情報
公開:2017年 / 全5話 / ジャンル:国内ドラマ
あらすじ
「僕を、死刑にしてください」―2016年3月、殺人を犯し勾留されている20歳の端爪北斗(中山優馬)は、国選弁護人の高井聡一(松尾スズキ)にそう言い放つ。
実の両親(村上淳・中村優子)から激しい虐待を受け、愛に飢えた少年時代を過ごした北斗はやがて養護施設に入ることに。
そこで里親となる近藤綾子(宮本信子)に出会い、初めて“愛”というものを知る。幸せを少しずつ感じることで心の闇から解放され、生まれ変わっていく北斗。
孤独な青年はなぜ殺人犯になったのか。 数奇な運命に翻弄され、残酷な日々を過ごしてきた彼に下る「審判」とは。
端爪北斗の“命を懸けた”裁判が今始まる。
原作
「池袋ウエストゲートパーク」や「娼年」の直木賞作家・石田衣良がデビュー15周年の結論と自負する渾身作
北斗 ある殺人者の回心 (集英社文庫) 文庫 – 2015/4/17
個人的感想と評価
主演の中山優馬さん、ジャニーズなんですよね。
以前たまたま、彼のラジオ番組を聞いたことがあって(失礼ながら)ジャニーズアイドルとは思えないトーク進行力で興味を持ちましたが、現在は舞台がメインのようで彼の動く作品を見たのは初めてでした。
役作りのために20日で12kg減量、撮影中は私生活も孤独に徹し、クライマックスの撮影期間は睡眠時間を極限まで削って挑んだとのこと。
それほど過酷で難しい役でしたが、いい意味でジャニーズらしさを微塵も感じない演技で素晴らしかった。
- 序盤…少年時代までの悲惨な虐待
- 中盤…里親の愛情を感じるひと時
- 終盤…事件後の裁判から判決まで
の5話。終始重く辛いシーンが続きますが、里親の愛情に満たされたひと時の暮らしぶりや、北斗を助けようと奔走した大人が少ならからずいたことに救われます。
殺害罪は、犯人にどんな背景があったとしても、犯人がどれほど悔やみ償い続けたとしても、決して誰一人にも許されてはいけない罪だと私は思っています。
ですが、被害者の人数が争点になる「永山基準」や、死には死を持って裁く日本の死刑制度については、深く考えさせられる作品でした。
辛いシーンが多く心身ともに体力を消耗しますが、見ごたえのある良作品です。
連続ドラマW 北斗-ある殺人者の回心- Blu-ray BOX
作品内容にそぐわない不謹慎なコメントですが、私の平穏の象徴「さかなくん」に激似でした。
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