ドラマW宮部みゆき「楽園」感想:怖くてヤバい金子ノブアキ
ドラマW 宮部みゆき「楽園」の作品情報
公開:2017年 / 全6話 / ジャンル:国内ドラマ・WOWOW
原作 / あらすじ
原作は宮部みゆきの2007年の同名小説 『楽園』。『模倣犯』に登場した記者 前畑滋子のスピンオフ作品。
当時15歳の娘を殺害し、遺体を自宅の床下に16年間隠していた土井崎夫妻(小林薫・松田美由紀)の事件がニュースを騒がせていたある日、
ライターの前畑滋子(仲間由紀恵)のもとに、主婦の萩谷敏子(西田尚美)が訪ねてくる。
敏子は、10歳の息子・等に“他人の記憶が見える”特殊能力があるかもしれないと前置きし、等が描いた絵を差し出す。
そこには風向計が特徴的な家の中で横たわる、灰色の顔をした少女が描かれており、土井崎夫妻の事件に酷似していた。
滋子は半信半疑で調査を引き受けるが等は交通事故で亡くなってしまう。一方、土井崎夫妻の次女・誠子(夏帆)は、父の代理弁護士・高橋治美(黒木瞳)から両親が誠子と縁を切ろうとしていると聞かされ戸惑う。
ばらばらに思える事件はやがて1つの“真実”へ。滋子の奮闘が今始まる!(C) 2017 WOWOW/松竹
ドラマW 宮部みゆき「楽園」の感想
強烈な事件のトラウマから事件記者としての仕事が出来なくなっていた滋子(仲間由紀恵)が、ある少年の調査依頼を受けたことをきっかけに、無関係と思われていた娘殺しの闇にたどり着く話。
前身となる作品『模倣犯』は中居正広主演の映画版が酷評だったので見ていないのだけど、この作品だけ見ても問題ないストーリーだった。
とにかく暗い暗い。
宮部みゆきの作品には超能力物も多くあって、この作品も人の記憶が見える少年が出てくる。でもこの少年の能力は、あくまでもきっかけであってこの作品の本筋には関係ない。
- 実の娘を殺害し、家の床下に埋めた夫婦
- 連れ去った女を家に監禁している男とその母
この罪にまみれた家族の意外な繋がりを滋子が暴いていく話なので、始終ずっと暗い。
余談だけど、床下に埋められた娘の伊藤沙莉が、すごい美人だったという設定はかなり無理があるやろ。と思った。
そして怖い。
ストーリーよりもヤバい男:明夫を演じているのは金子ノブアキの演技だけが印象に残った。
金子ノブアキはいつもヤバい悪役が多いけど、今回は髪型・服装・普段の口調は抑えめでともすれば優しいのにやってることは卑劣で冷酷というヤバイやつで今までで一番危ない役と言っていいと思う。
実際にあった『女子高生コンクリ詰め事件』をモチーフにしてると思われるような犯行で、怖いうえに最高に胸糞悪い・・・。(見て見ぬ振りの母親:冨樫真の壊れっぷりも)
楽園の意味・・・
見終わっても、私にはタイトルの『楽園』がどこにも微塵にも感じられない話だった。「楽園」の反対の「地獄」を逆説的に暗喩したタイトルだったのか・・・
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