
映画「朝が来る」感想:手放す方と迎え入れる方の実録風の話
映画「朝が来る」の作品情報
公開:2020年 / 139分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
原作は、特別養子縁組で子供を授かった夫婦と、子供を手放した幼い母のその後の人生を描いた辻村深月による同名小説『朝が来る』(2015年)
「子どもを返してほしいんです。」平凡な家族のしあわせを脅かす、謎の女からの1本の電話。この女はいったい何者なのか-。
一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和 (井浦新) と佐都子 (永作博美) の夫婦は「特別養子縁組」というシステムを知り、男の子を迎え入れる。
それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。
当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。いったい、彼女は何者なのか、何が目的なのか──?(C)2020『朝が来る』Film Partners
予告動画
個人的感想・評価
サスペンス系かと思ったら実録風・・
いったい、彼女は何者なのか、何が目的なのか──?
こういう番宣を目にしていたから、生みの親のひかりは死んでいて現れたのは別人で・・とかのサスペンス系ストーリーを想像していたんやけど全然違ったわ
別人と見間違えるほどに変貌してしまった女性は、正真正銘 生みの親のひかりだった
一度は手放した子供をやっぱり返してほしくなる母親
と言うのはよく聞く話で、この作品に描かれている内容も子供を巡った両方のあるある話をドキュメンタリー風に描き、ドキュメンタリー風のカメラワークで撮った作品だった
私はどちらでもないので今ひとつ響かなかったけれど、子供を強く望む夫婦や、まだ若い世代の女性には知識として得るものがある作品なのかもしれない
子供をどうしても欲しい夫婦
前編はコチラ側の話
苦労した不妊治療の末、どちらかの生殖機能に問題があって二人の子供を授かることが出来ないと分かった夫婦が、特別養子縁組制度を知って・・というストーリー
この作品では浅田美代子が代表を務める『ベビーバトン』という団体が登場する
(この『ベビーバトン』という団体は、妊娠中のひかりと同じような状況の少女を出産まで寮のような施設で預かるという活動も行っている)
その団体に参加した「これから養子縁組を望む親」や、「すでに養子縁組をした親」それぞれの話が出てくるので養子縁組を望んでいる人にとっては興味深い内容だと思う
少女の望まない妊娠
後半はコチラ側の話 (どちらかというと、こっちの方がメイン)
中学生同士の恋人がセックスして妊娠→男は怖気づいて離れる→そうこうしているうちに中絶できる期間を過ぎてしまい親バレ→親が『ベビーバトン』へ強制送致
という感じで、まぁこちらもよくある話なのでは無いかと思う
出産するまでは、母性のような感情も現れたりする、あどけない少女だったひかりだけれど
出産して実家へ戻ったあたりから、どんどんやさぐれていく様子が長尺でじっくり描かれている
家族の理解が無かったり、周りからの冷たい目があったりとやさぐれる要因はあるのかもしれないけれど・・
※ひかりの場合は 同意の上でのセックスなわけで、子供が子供を作っちゃあかんだろという感想しか持てない私は冷たいのだろうか^^;
家出の末にやさぐれたひかりは、まだ若いんだから自分の力で立ち直るしかないし、そういう光が見えるラストシーンだったのには作者の優しさを感じる
一方、生まれてきた子供には何の罪も無いわけで、生活力と愛情のあるまっとうな親のもとで幸せに育ってほしいと願う
コメントの公開は管理者の承認制です (は空白不可)