
映画「恋妻家宮本」感想:ちょい枯れ夫婦のラブストーリー。
映画『恋妻家宮本』2017年公開(監督: 遊川和彦/出演:阿部寛・天海祐希・ 菅野美穂)のレビュー。内容・出演者・予告動画・ネタバレ・感想と評価
映画「恋妻家宮本」をざっくり紹介
若き頃の授かり婚から25年。子供も巣立ち、ふいに二人暮らしとなった50代の夫婦。
妻への愛情をストレートに表現できない、優柔不断で不器用な夫 が、妻の隠し持っていた離婚届を発見し、驚き・戸惑いながらも、妻への想いに気づき「愛妻家」ならぬ「恋妻家」へ変化していく様がコミカルかつハートフルに描かれています。
原作は直木賞作家 重松清の「ファミレス【上下】 (角川文庫)」。原作では、別の夫婦の物語も綴られていますが、映画版 恋妻家宮本
では阿部寛
さんと天海祐希さんが演じる一組の夫婦に焦点を当てたストーリーに大胆脚色されています。
人気脚本家の監督デビュー作
恋妻家宮本で脚本・監督を努めたのは 脚本家 遊川 和彦(ゆかわ かずひこ)さんです。
十年愛、GTO、女王の教室、家政婦のミタ、過保護のカホコなど・・・数々のヒット作を手掛けたテレビドラマ界の人気脚本家の初監督作品。
- 遊川和彦の映画監督デビュー作
- 夫婦で見れる恋愛映画
- キーワード: ちょい枯れ夫婦、熟年離婚、男の料理、飯テロレシピ
ネタバレ含む情報
造語 「恋妻家(こいさいか)」
恋妻家はこの映画のために作られた造語です。
恋妻家【こいさいか】
妻への思いに改めて気がついた夫のこと。
言葉にすると新しいけれど、
世界中の夫のなかに必ず眠っている気持ち。
ミドル世代の仕事への自問
学生時代は小説家を夢見ていた宮本ですが、結婚を期になかばなりゆきで教師になり、「教師としてそれなりに上手くやって来た」と自負する一方、妻の離婚届発見事件を期に
- 「俺の人生の選択はこれであっていたのか?」
- 「俺は教師に向いていないのではないか?」
と自問する気持ちも持つようになります。そんな中、家庭問題を持つある生徒との関わりを経て、教師として自信を取り戻す様も描かれています。
実は飯テロ映画
宮本は、数年前からたまたま通った料理教室をきっかけに、料理の楽しさに目覚め、学校でも「料理クラブ」を立ち上げるほどに料理の腕前をあげました。
映画 恋妻家宮本では、宮本の楽しそうに作る手際の良い調理シーンや、料理を食べるシーンも魅力的。
- かんたんキャベツとコーンビーフ炒め
- マヨペッパー玉子かけご飯
- 食感抜群♪豆腐入り鶏団子
など・・・思わず作って食べてしまいたくなる「飯テロレシピ」の紹介も見どころです。
映画 「恋妻家宮本」 の基本情報
あらすじ
子供が独り立ちした中学教師の宮本陽平と妻・美代子は、25年ぶりに訪れた夫婦二人きりの生活に困惑してしまう。
ある夜、妻側の記入欄が記載された離婚届を見つけ陽平は激しく動揺するが、美代子に意図を聞き出すこともできず悶々とした日々を過ごす。
混乱しながらも陽平は、料理教室の仲間や教え子と関わる中で家族の在り方を見つめなおし…。
監督・脚本・公開年データ
監督・脚本 | 遊川和彦 |
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原作 | 重松清「ファミレス」 |
公開 | 2017年 |
主要キャスト
宮本陽平 | 阿部寛 |
---|---|
宮本美代子(陽平の妻) | 天海祐希 |
五十嵐真珠(料理教室仲間) | 菅野美穂 |
門倉すみれ(料理教室仲間) | 相武紗季 |
五十嵐幸次(真珠の夫) | 佐藤二朗 |
井上克也(陽平の教え子) | 浦上晟周 |
井上礼子(陽平の祖母) | 富司純子 |
映画「恋妻家宮本」予告動画
個人的な感想
意外に笑えて泣ける、ド直球な優しいヒューマンドラマでした。
テレビっぽい演出多め
テロップが多く、演者が突然カメラ目線、踊って終わるエンディングなど・・・。良くも悪くもドラマっぽい演出が多く好みが分かれるかも。私は苦手。
背の高いお二方の演技力
ちょっと面倒な人の役をやらせると右に出るものはいない阿部寛さんのひとり脳内会議で右往左往する様は安定のおもしろさ。生徒との関わりで、とっても優しい表情に変わっていく様も演技の幅の広さ。
宮本から「歳取ったな。」と思われるには、天海さんがキレイすぎたけど・・・強い役柄が多いイメージを一転し、少し自信がない普通の主婦を違和感無く演じられていてさすが。
「夫と妻」以外にも「親と子供」・「生徒と教師」・「教師と親」 などいろいろな人間のちょっとしたすれ違いが「優しさ」で修復されていく様が織り込まれていて、生徒とのファミレスシーンや、「正しさ」と「優しさ」のありかたについて生徒の祖母に諭すシーンは印象に残りました。
- 未婚のミドル世代
- 既婚のミドル世代
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