ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」感想:ムショカツの行く末は!?
ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」の作品情報
公開:2021年 / 全5話 / ジャンル:国内ドラマ
原作 / あらすじ
NHK総合の「土曜ドラマ」で放送。原作は孤独な老女がムショ活に奔走する原田ひ香による『一橋桐子 (76) の犯罪日記』日本の長編小説
主人公・一橋桐子(松坂慶子)は、哀しみの淵に沈んでいた。
年金とパートの収入で暮らしも楽ではない中、唯一の希望であった親友が病で亡くなり、毎日が突然、空虚な日々となったのだ。
このままだと自分は孤独死してしまうのでは――生きていくことの困難さが、桐子の心を絞り上げていく。
そんな時、テレビで見たある逮捕者の「世の中に未練はなかった。刑務所に入りたくてやった」という供述に心奪われた桐子は、終の住みかを“刑務所”に設定。「できるだけ人に迷惑をかけずに捕まる道」を模索し始める――。
個人的感想・評価
独居老人の孤独死というのは現実的なテーマながらも
『人に迷惑をかけない(けれど重い)犯罪で捕まって、死ぬまで刑務所で(楽しく)過ごしたい』
と老女が本気で考える風変わりなとんでもストーリー
終活ならぬムショ(務所)活
警察とは無縁の人生を送ってきたであろう老女が、初めて犯した犯罪は親友の好物だったいちご大福の万引きである(当然、万引きGメンにすぐ捕まる)
けれど、その後もムショ活を諦めない桐子は、「偽札」「闇金」「結婚詐欺」「誘拐」と凶悪犯罪にチャレンジするが、案の定どれもこれも上手くいかないのが面白い
そのうえ、桐子の人柄ゆえに、ムショ活を応援する仲間(長澤樹・岩田剛典・宇崎竜童)まで出来てしまう
見ている方も、(さすがに、目指せ刑務所!とまではいかないまでも)老後のおかしな夢に向かって七転八倒する憎めない老女 桐子を応援したくなる
松坂慶子の思い切った演技が◎
犯罪を犯そうとする老女という設定にもなぜか好感が持ててしまうのは、桐子を演じた 松坂慶子の魅力が大きいと思う
実年齢は桐子よりもう少し若いとは言え、歳を重ねても十分麗しく決して老女とは言い難い 松坂慶子が、シルバーヘアーの垢抜けしない老女になりきっているのだけれど
普段のふんわり&おっとりした喋り方も相まって桐子がめっちゃキュートに見えてくる
『らんまん』の大女将役とはぜんぜん違うよスゴイね
ショッキングなタイトルとは裏腹に
タイトルの「犯罪日記」からイメージする内容とは全く違う、ほのぼの老後青春成長(⁉)物語
序盤ではコメディ一辺倒とか思わせておきながら、意思も気も弱く、孤独だった桐子が、
(ムショカツの末とは言え)いろんな友人が増え、中盤からは泣けるシーンもあり、強くなっていくヒューマンドラマ的な要素も加わってくる
最後は、こうあって欲しいなと思う通りの暖かい結末なので安心して見れる良い話だった
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