
映画「神は見返りを求める」:胸糞悪いでお腹いっぱい!
映画「神は見返りを求める」の作品情報
放映:2022年 / 105分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
脚本 / 監督は『空白』・『ミッシング』の𠮷田恵輔。男女の関係が、本音や嫉妬で豹変していく様を赤裸々に描いたオリジナル脚本。
主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、合コンでYouTuber・ゆりちゃ ん(岸井ゆきの)に出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」の様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。
アクセス数がなかなか上がらないながらも、前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉⻯也)の紹介で、人気YouTuber(吉村界人・淡梨)と知り合い、彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズってしまう。イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。良い人だけど、センスがない…。恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”するーー!
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予告動画
個人的感想・評価
やけにポップな宣材画像から、「おっさんと若い子のラブコメものね」なんて思って観ると良くも悪くも期待を裏切られる作品。
手カメスマホの酔いそうになる映像から始まって、ラストシーンまで胸糞悪いをお腹いっぱい見せられることになること間違いない。
この"𠮷田恵輔監督の作品は、『空白』や石原さとみの『ミッシング』などのサスペンスものの映画化が有名になっているけれど(どちらも未視聴)
"𠮷田恵輔監督を知らずに見た仲の悪い兄弟の腐れ縁を描いた『犬猿』
が意外に面白く(←失礼)、いわゆる報われないボクシングバカの男達を描いた『BLUE』
も良かった。人間なら誰にでもある本心を包み隠さず端的に描くのがとても上手い監督やと思う。
今作も、したたかな若い女に下心と恋心を持ってしまった中年男が心血注いで→無下にされ→嫉妬で狂うという割と分かりやすい話。
女が地下アイドルやキャバ嬢でも成り立つ話ではあるけれど、売れない底辺ユーチューバーに設定したというのは"𠮷田恵輔監督のセンスあるところ。資料によると企画開始は2018年(クランクインは2020年)と言うから先見の明もあると思う。
最初こそ駄目でかわいい優里ちゃん(岸井ゆきの)だけど、瞬殺したゴキブリを素手で持つあたりからしたたかな素が見え隠れしていたし、人気が出てからの人間の変わり様が醜い。
優里ちゃんの冷たい仕打ちに耐えきれず、いよいよ神でいられなくなった田母神(ムロツヨシ)の変貌もとにかくムロツヨシの演技が上手くて醜い。ユーチューブで報復合戦は今どきやけど、スマホ棒でフェンシングシーンはシュールすぎたわ。
他人をこじらせて楽しんでるタイプの梅川(若葉竜也)が最悪に醜いし、ペラペラユーチューバー達も醜い。この監督はユーチューバーが嫌いなんやろな思うくらい、とにかく出演者全員が醜い。
"𠮷田恵輔監督曰くこういう『オナニー映画( = 監督が好きなものを好きなように撮った映画)』系の作品は、他者から見たら全く理解不能で置いてけぼりになる作品が多いけれど、誰にでもある感情の起伏や、どこにでもいそうな人を真っ裸にしているので、
胸糞は悪いのに、意外と誰でもついていけるのがニクイと思う。
「ありがとう」は大事な言葉。
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