映画「最初の晩餐」感想:父の願いは父のいない食卓で叶う。
映画「最初の晩餐」の作品情報
公開:2019年 / 127分 / ジャンル:邦画
あらすじ
監督も務める 常盤司郎 のオリジナル脚本作
カメラマン東麟太郎(染谷将太)は父・日登志(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子(戸田恵梨香)と準備をする中、母・アキコ(斉藤由貴)が、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。
やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気がつく。「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」。
なつかしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえってくる。
20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄シュン(窪塚洋介)と5人で暮らした日々のこと…。止まっていた家族の時が今、ゆっくりと動き出す。(C)2019「最初の晩餐」製作委員会
予告動画
個人的評価・感想レビュー
連れ子同士の再婚(永瀬正敏・斉藤由貴)で戸惑いながらも、母のいろんな計らいで少しずつ本当の家族のようになっていった子どもたち(成年期 : 窪塚洋介・戸田恵梨香・染谷将太)。
ある日長男が突然家を出ていってしまったことを期に、また距離が出来たまま大人になりなり家族は疎遠になってしまう。
その家族が父の葬儀で再会し、懐かしい食事で過去を思い出しながら互いのわだかまりを解きほぐしていく話。
予想に反して心温まる系だった
もっと尖った話を期待したけど今流行の料理もの群像劇だった。
親が隠していた秘密もそれほどか?って思うようなことだったし、(多感な年齢の子どもたちにしてみれば大問題なのかも知れないけれど) 監督の自伝的脚本なのかなとい思うくらい、厳し目で言えば他愛もない話だった。
俳優陣の演技は良かった
主演は染谷将太。影のある役柄が多いイメージだけれど、今作ではどこにでもいる普通の青年で喜怒哀楽いろんな表情を見せるのが新鮮だった。
序盤では古田新太か?と見間違えるほどふっくらしてた永瀬正敏が、病に伏した後半は役作りでげっそり痩せた印象に変わっていたのは凄かった。
ちなみに子供時代の回想シーンが大半なので、窪塚洋介の出演シーンは終盤少しだけ。
父の遺言はレシピ
「家族がまた繋がること」が父の願い。それが叶うのが自分の死後なのは少し切ないけれど。
家族の誰も知らない父親の好物を知っていたのは職場の部下だったり、死期せまる父に会いに来ていたのは血のつながらない方の息子だったり
家族って何か?なんて愚問で、考えることが意味のないことなんやなと思った。
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