ドラマ「やさしい猫」感想:国際結婚の不自由
ドラマ「やさしい猫」の作品情報
放映:2022年 / 全5話 / ジャンル:国内ドラマ
原作 / あらすじ
原作は中島京子による、入管法に翻弄されたある家族を描いた日本の同名小説『やさしい猫(2021年)』
シングルマザーで保育士のミユキ(優香)は、震災ボランティアで訪れた東北で、スリランカ人のクマラ(オミラ・シャクティ)と出会う。
1年後、運命的な再会を果たした2人は次第に惹かれ合い、ミユキの娘・マヤ(伊東蒼)を交えた3人は家族のように一緒に暮らし始める。
同僚保育士のほなみ(石川恋)はよき理解者だ。最初は3人を微妙な目で眺めていたアパートの大家・水上(池津祥子)もやがてミユキたち家族を応援するようになる。
個人的感想・評価
シンママ家庭の日本人母娘を演じる優香と伊東蒼と、スリランカ人 オミラ・シャクティが家族になる話で
『母親の再婚相手が外国人でも、そこに愛がある家族なら何の問題もない』・・とは簡単には言い切れない現実があるんだなと知ることのできる作品。
クマラを演じた オミラ・シャクティが、本職はシンハラ語教師で、演技未経験だったというのは驚き。
少しカタコト気味に喋る日本語と、業界っぽくない風貌 & 愛嬌のある顔立ちで、よりこの家族のリアルさが増していたと思う。
こういう作品を見ることがなければ、興味すら持たなかったと思う、外国人が日本で生計を立てることや家族を持つことの難しさについて少し知れたし、
オーバーステイ・・・つまり色々な事情があったとしても結果的に法を破ってしまった時の外国人の立場の弱さみたいな側面は日本人として見ていて辛かった。
国を相手に訴訟を起こしたとしたら実際には、この作品のような結末になることは、本当に稀なことなんだろうなと思う。
物語的に、どうしても入管側が悪のように誇張して描かれている部分はあったと思うし、それによって見た人の間で論争が起きるのは残念な事だと思う。
この作品はそういった問題への是非を問うような見方ではなく、ある一つの家族の物語として見てほしいと思う優しい話だった。
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