映画「犬猿」感想:大嫌いなのに実は大好き、それが兄弟姉妹
映画「犬猿」の作品情報
公開:2018年 / 103分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
監督を務める吉田恵輔のオリジナル脚本。他映画作品に『ヒメアノ~ル』など
弟の金山和成(窪田)は真面目でイケメンの印刷会社の営業マン。ある日、彼のアパートに、強盗罪で服役していた兄の卓司(新井)が刑期を終えて転がり込んでくる。
卓司は和成とは対照的に凶暴な性格でトラブルメーカー。キャバクラで暴れたり、弟の留守中に部屋にデリヘルを呼んだりとやりたい放題。
和成はそんな卓司に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。
一方、親から引き継いで小さな印刷所を切り盛りする姉の幾野由利亜(江上)は、勤勉で頭が良く仕事はできるものの、太っていて見た目がよくない。
得意先の和成にほのかに想いを寄せる彼女の天敵は、頭は悪いけどルックスとスタイルの良さから芸能活動もしている妹の真子(筧)だった。
複雑な感情を抱くこの二組の兄弟・姉妹の出会いを境に、それぞれの関係はさらに大きく歪みはじめる…。(C)2018「犬猿」製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
正反対の兄弟姉妹二組の話。
- 真面目だけど平凡で冴えない弟: 和成 × 男気はあるけど乱暴で服役中の兄: 卓司
- 可愛いく要領はいいがアホな妹: 真子 × 頭の良いしっかりものだけど地味な姉: 由利亜
イケメンの和成を巡って、もともと仲の悪かった真子と由利亜の亀裂が決定的になり、そこへ兄:卓司 が出所してきたことによってさらに混乱を極めて・・・というファミリームービー。
キャスティング最高
窪田正孝 (弟)× 新井浩文(兄) & 筧美和子(妹) × 江上敬子(ニッチェ)(姉)それぞれはまり役だったけど
特に江上敬子(ニッチェ)を抜擢した監督のセンスには唸る。
「太っていて容姿が醜い女性」(台本まま^^;)ではあるけれど、頭もよく、しっかりもので家庭的。家業と家族の世話を一手に引き受けている優秀な姉そのものだった。
これが、女優初デビューとは驚き!
弟妹あるあるてんこ盛りでは?
同性の兄・姉のことを
- いつも比べられて嫌だった
- 疎ましいけど強くは出れない
- 嫌いなのにいなくなると猛烈に悲しい
- 小さい時は大好きだった
こんな風に思う弟・妹なら、この作品は面白すぎるんじゃないだろうかと思う。
タイトルが上手い。
甘え上手には決してなれない兄・姉の性も描かれていて、横暴でめちゃくちゃのような兄でも弟に拒絶されるとしゅんとしちゃうところなんて、切ない。
上手いなぁ、新井浩文。 なんども言うけれど、この人の作品がもう見れないのは残念すぎる。
雨降って地固まる的なありがちストーリーかと思いきや、最後の最後でゴングがカーンとなりそうな終わり方で小気味いい。まさに、犬猿。
103分と短く、登場人物はほぼ兄妹4人のみで低予算感あるなぁと思いながら見たけど、テンポ良く色んな要素が配置されていて期待を反してとても面白かった。
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