ドラマW「石つぶて 外務省機密費を暴いた捜査二課…」感想
ドラマW「石つぶて 外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち」の作品情報
公開:2017年 / 全8話 / ジャンル:国内ドラマ・WOWOW
原作 / あらすじ
原作は清武英利が2001年に実際に起きた「外務省機密費流用事件 – Wikipedia」を捜査した警視庁捜査二課の刑事たちを描くノンフィクション小説『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』
2001年に発覚し、政官界を揺るがした「外務省機密費詐取事件」。
警視庁捜査二課に属する“石つぶて”たちが、組織に抗いながらも掘り起こしたこの事件の真相とは―。
“三悪人”と呼ばれた外務省役人たちが起こした衝撃的な悪事とは―。
(C)2017 WOWOW INC.
個人的感想・評価
外務省の首相外遊を担当していたノンキャリの一官僚が、10億円近い国費を横領詐取したという2001年に起きた巨大事件のノンフィクションの実写化。
この事件で逮捕された松尾克俊(役名:真瀬)役を北村一輝が演じ、国家と警察上層部の妨害に屈せず事件を立件しようとする 執念の刑事 木崎を佐藤浩市が演じる本格ドラマ。
WOWOWしか実写化不可能
たった一人の男が巨額の国費を、いとも簡単な手口で自分の懐に入れていたことも驚きだけれどこの事件に注目すべき点は、
当時は国民に公にされていたなかった国家機密費(に含まれる報償費)の裏をかき手を付けていたということ。
これは機密の用途に充てるという性質上、支出の内容を明らかにする必要がなく、しかも各省庁から上納されている=チェックの入らない国の裏金庫とも言えるものらしい・・。
こんな国家を敵に回すようなテーマを扱えるのはスポンサーの必要ないWOWOWしか無理。
地道な捜査に驚き
殺人などの捜査にあたる一課と違い、警視庁捜査二課は、贈収賄や汚職・知能犯などの捜査にあたる警察組織。
その捜査二課の中でも、汚職の情報集めと立件に必要な裏取りを行う「情報係」の地味で地道な捜査模様が細かく再現されている。
こんなところに目をつけられたらもう何も隠せないと思う^^;
20年以上前で、ネットもパソコンすら普及していない時代にまさに手脚を使って、僅かな口座残高の動きまで調べ上げる執念の捜査には驚きだった。
カメレオン俳優の演技はさすが
酒も博打も贅沢もしない捜査一徹のベテラン刑事を演じた佐藤浩市、その上司で少し荒っぽい江口洋介・優等生的な萩原聖人のタッグも良かったけれど
国費を搾取しておきながら悠々自適に暮らしていた真瀬が、飄々と取り調べを受ける様子から一転、国家(から抹殺される事)への恐怖へ変貌する様を演じ切った北村一輝は本当に素晴らしかった。
本当に明らかにしたかった真実は、やはりというか闇の中・・・国家権力恐ろしや。
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