映画「BLUE/ブルー」感想: 人生はそう上手くいかない
映画「BLUE/ブルー」の作品情報
放映:2021年 / 107分 / ジャンル: 邦画
原作 / あらすじ
監督は「ヒメアノ~ル」「犬猿」の𠮷田恵輔。自身が30年以上続けているボクシングをテーマにして8年をかけて構想したオリジナル脚本。
誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。
千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。(C)2021『BLUE/ブルー』製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
石原さとみのガチ演技で話題の映画『ミッシング』…の𠮷田恵輔監督作品。
その𠮷田恵輔監督作品だったという事を最近知ったのだけれど、兄弟姉妹の腐れ縁をテーマにした『犬猿』はとても面白かった。
今作は、𠮷田恵輔監督が8年間暖めて書き上げたボクシングストーリーで、自身がボクシングを30年以上続けてきたとのエピソード通り知ってる人間にしか分からないリアルな描写なんだろうと思う。(ボクシングのことはよく知らない。)
ボクシングって言うのは、スポーツを超えた無性に惹きつける何かがあるらしく、漫画や映像作品のテーマになることも多い。
でも、この作品が他のボクシング作品と違うところは、主人公がちっとも勝てないボクサーだというところ。弱いボクサーが最後には…なんて華々しいサクセスストーリーにはなっていない。
主人公の瓜田( 松山ケンイチ)は後輩ボクサー小川(東出昌大)にどんどん先を越され、おまけに思いを寄せていた初恋の女まで持っていかれる始末。
その小川も、チャンピオンに手をかけた矢先にボクサー生命が危うくなり正に命を削ってボクシングに打ち込んでいる。
新人ボクサーで、女にモテたいだけで始めただけなのに意外なセンスを発揮してしまうのが楢崎(柄本時生)。テクニックや努力だけでも駄目なんやなと思わせてくれる。
体から作り込んだ 松山ケンイチと東出昌大のボクシングシーンはもちろんのこと、ヘタレからの成長を見せた柄本時生の演技が意外にも印象深かった。
そして、最後に流れる竹原ピストル(出演もあり)のきーぷ、うぉーきんぐ!!が綺麗にまとめてくれた。
人生はそう上手くはいかない。でも歩き続ける、それが人生。と歌っているようなこの歌が、この作品にぴったりだった。
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