映画「天空の蜂」感想:いい意味で裏切られたWネームの大作
映画「天空の蜂」の作品情報
公開:2015年 / 138分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
作者本人も映像化は不可能と思われる作品だったが、原作発表から20年後に実写映画化された
1995年8月8日。
最新鋭の超巨大ヘリ《ビッグB》が、突然乗っ取られ、福井県にある原子力発電所「新陽」の上空に静止した!
遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、“日本全土の原発の破棄”を要求。
従わなければ、大量の爆発物を搭載した《ビッグB》を原子炉に墜落させると宣言する。
機内に取り残された子供の父親であり《ビッグB》を開発したヘリ設計士・湯原(江口洋介)と、原発の設計士・三島(本木雅弘)は、上空の子供の救出とヘリ墜落の阻止をするべく奔走するが、政府は原発破棄を回避しようとする。
(C)2015「天空の蜂」製作委員会
予告動画
個人的感想・評価
海上自衛隊向けの開発された超巨大ヘリがリモート操作にて乗っ取られた
8時間以内に日本全土の原発の破棄しなければ爆発物を搭載したまま原子炉に墜落すると脅迫するという前代未聞のテロ事件が発生
不遇にもそのヘリの機内には、ヘリ開発者:湯原(江口洋介)の息子が取り残されたままだった
息子の救出&ヘリの墜落阻止 に奔走する湯原と原発設計士:三島(本木雅弘)に対し原発破棄を回避しようとする政府の隔たりが続く中
ヘリ墜落のタイムリミットは刻々と迫り…という話
堤幸彦監督を見直した大作
堤幸彦監督作品と言えば、『TRICK』・『SPEC』・『20世紀少年』なんかのコメディ強めなエンタメ作品のイメージが強かったけれど
→ドラマシリーズは面白かったSPECの映画版ではがっかりしたし…
堤幸彦に いい意味で裏切られたわ
飽きずに見れる138分
自衛隊員の007ばりのハラハラ息子救出劇で、もうお腹いっぱいになったのにまだ残り半分くらい
若手刑事(落合モトキ)とテロ実行犯(綾野剛)の死闘劇でショックを受けて、最後にまさかの主犯とのカーチェイスまで
『原発破棄』という重いテーマなのに要所要所でハラハラする派手な見せ場を作っている演出のおかげで長時間でも飽きずに見れたのはさすがだなーと思った
自分の頭で考えよ
テロ犯人の動機はそれぞれに歪んだものだったけれど、
タイトルの通りまさに天空の蜂となって全国民を人質にとり、全国民に問題提起したことになる
最後は白黒つかずもやっとしているけれど、ストーリーの中では国民に、本作品としては見たものに
「自分事として自分の頭で考えよ」
と訴えかける作品だと思った
(たぶん原作の東野圭吾も原発の是非を問う作品として書いたのでは無いと思う)
原発問題にアレルギーがある人でも
原発問題は意見が二分するデリケートなテーマだけど、難しいことを抜きにしてクライシスサスペンス物としても面白く見れる作品
東野圭吾は扱うテーマが幅広くて時代の3歩先を読んでるなぁと感心するわ
どんな役でも全力熱演の江口洋介と、出る役を選んでいる感のあるレア俳優 本木雅弘 のビッグ共演に
脇を固める俳優も実力派ぞろいというだけでも観る価値あると思う
コメントの公開は管理者の承認制です (は空白不可)