映画「海賊とよばれた男」感想:焼け野原から日本人の商売魂
映画「海賊とよばれた男」の作品情報
公開:2016年 / 145分 / ジャンル:邦画
原作 / あらすじ
原作は、出光興産創業者の出光佐三をモデルとした百田尚樹による同名の歴史経済小説『海賊とよばれた男』(2012年)
主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻んだ。
しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。
その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。
そしてついに、敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。
(C)2016「海賊とよばれた男」製作委員会(C)百田尚樹/講談社
予告動画
個人的感想・評価
- 国岡商店を石油大企業に成長させた創業者:国岡鐡造(岡田准一)の一生を描いた大作
- 石油の将来性に目をつけた鋳造は若くして田岡商店を構え、石油を積んだ船で海に出て漁師に直接石油を売りさばいたその姿は『海賊』と呼ばれていた
- 田岡商店は石油商として成長するが日本は敗戦し、売るべき石油が無いという経営危機に見舞われる・・・という話
朝ドラのスケールをぎゅぎゅっと凝縮
国岡商店の創業者の青年期から晩年までを、一人の俳優(岡田准一)で演じるまるで朝ドラのような作品
2時間半と長めの尺だけれど、さすがに上下巻の大作をまとめているので展開は忙しい
特に序盤は、時代が戻ったり進んだりするのでちょっと「?」が多かった
アクションシーンの無い岡田准一の熱い男
戦後以降の日本が舞台の経済小説なので、もちろん曲げも結っていなければ刀も持たない
アクションシーンゼロの岡田准一は久しぶりに見たような気がするけれど、お見事
血気盛んな青年期から、貫禄を備えた壮年期、そして晩年の最後の時まで特殊メイクも施しながらの演じ分けはさすが百田尚樹作品のスタメンだわ
その他の俳優陣も、男社会な時代の話なのでほぼ男性陣
若手からベテランまで実力派が勢ぞろいの豪華キャストだった
戦後日本人の魂
先見の明を持ち、機転と度胸があり、社員を守り、慕われる熱い男 :田岡鋳造
この人物が、実在する著名人(出光興産とその創業者)をモデルに描かれているということだけでも感動するけれど
大敗の焼け野原から、世界を相手にするまでにのし上がった日本人の反骨精神には尊敬しか無い
出光のGS見たら拝んでしまいそう
やっぱりピエール瀧は良き仕事をする俳優やなと思ったのが残念
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